催眠療法に欠かせないテクニック、それが解放作業です。どんなに短い施術時間でも必ず解放作業を組み込んでください。
催眠療法を求める患者には特に解放作業が不可欠となります。
では、実際にどのような作業を解放作業と言うのでしょうか。
解放作業とは
まず、一般的に解放作業というのはストレスや悲しみ、怒りなど負の感情を患者の精神から解放してあげることです。
少しでも負の感情を解放することで問題となっている症状が改善されことも少なくありません。
負の感情などないと思っている人でも何かしら意識の中には負のエネルギーがあるものです、それを催眠状態下で少しでも減らしてあげることは療法士として非常に大切な事です。
ストレスと負のエネルギー
人はどんなに恵まれている人でも「意識」によって何かしらを制限されています。
それが何であれ、意識が制限されることによって知らず知らずのうちにストレスが生じています。
もちろん、今苦境に立たされている人、仕事でのストレス、人それぞれに皆ストレスを感じています。
ストレスは解放せずに溜めているといずれ身体的な症状となって現れます。
また、ストレスは負のエネルギーの一部です。
実際に感じる負の感情もストレスと共に負のエネルギーと呼ばれます。この負のエネルギーが大きいと身体的な症状となって現れるだけでなく、正確な判断が出来ないなどの支障が出ます。
催眠療法を求めて来られる患者には必ず施術するようにしましょう。
解放作業内容
解放作業には「イメージ療法」を使ってする長いものから覚醒後催眠の暗示をかける短いものまで様々でこれは各患者の症状や精神状態を催眠療法士が細かく観察、把握し、それに合わせて適切な方法を施術する必要があります。
例えば、ストレスが大きな原因となっている患者には時間いっぱいかけてリラックスとイメージ療法で解放作業を行う。
使用するイメージ療法は問診や今までの施術で分かっている情報から、患者が恐怖を感じないイメージ、好ましいイメージ、興奮するのではなく、患者が落ち着くと感じるイメージを使い誘導します。
恐怖症など、他の症状に対する施術がメインの時は2~3分で出来るような簡単な誘導イメージで解放作業を行うか、最後のカウントアップの時に覚醒後催眠の暗示を組み込むと良いでしょう。
解放作業での注意点
解放作業でアブリアクションを引き起こすことは滅多にありませんが、可能性はあります。
どのイメージを選ぶかどのような言葉で誘導するか等各患者に合わせて、あくまでも催眠療法士は「案内役」なのだということを念頭に置いて内容を選ぶことが大切です。
患者を催眠状態に誘導した時点である程度「精神の繋がり」が出来ていると思うので自然と言葉遣い、使用する単語、イメージを患者に合わせることが可能だと思います。
自分には合うと思っていても患者に合わない又は患者の負の感情を起こさせるイメージや言葉だと解放作業が不可能になるだけでなく、その患者は二度と戻って来ないでしょう。
また、万が一アブリアクションが起こった場合でも、慌てずに退行催眠やパーツセラピーの時と同様に速やかに対処しましょう。
誘導するイメージに関しては様々なスクリプトが市販されていると思いますが、スクリプトが必要な療法士はなるべくそのままスクリプトを使うのではなく、それを患者に合わせ、かつ自分が施術し易い様に手を加えましょう。
スクリプトが必要でない療法士は、普段から愛や慈愛、健康などをテーマにした詩集や格言集などを読んでおけばいざと言う時にその患者にぴったりなイメージがわいたり、暗示にしたり出来るので試してみてください。
また、誘導指示もあまり細かく指示せずに各患者の潜在意識が自分に一番あった状態で一番解放したい事柄を解放できるように誘導することが大切です。