催眠誘導研究所の所長を務める林貞年さんが書かれた本

この本はタイトルの通り初心者からプロまで参考にすることが出来る催眠誘導、コミュニケーションを具体的に伝授してくれる本です。

この本で学べることは

  • 催眠の基礎
  • 催眠の応用テクニック
  • プロが行っている成功テクニック

などです。

それでは本書を読んで勉強になった部分を解説していきます。

目次

  1. 潜在意識との対話-催眠術の基礎知識
  2. 催眠術師への道-催眠術の基本テクニック
  3. 催眠術ショーの舞台裏-集団催眠の実践テクニック
  4. 催眠術の極意-プロの成功テクニック
  5. セックスinトランス-催眠術の応用テクニック
  6. 療法としての催眠誘導-催眠療法のエピソード7

被暗示性

本書では暗示の受け取り方は人によって違い三種類に分けることが出来ると説明されています

まず一つ目が「第一次被暗示性」というもの。

普段日常生活で簡単なウソに引っかかったり騙されたりする人で言わば単純な人。

第一次被暗示性が高い人は誰にでも起こる現象をいかにも術者の誘導でそうなったと思わせることで瞬間的に導入することが可能との事

次は第二次被暗示性が高い人。

この人は無意識の学習能力が優れている人で、おもに流れ作業のような単純な作業を覚えるのが早い人が多い、この第二次被暗示性が高い人は条件反射を利用した誘導法が向いている。

そして最後に第三次被暗示性というもの。

これは集団での活動になると活発になる人のことで一対一の催眠より集団で行う催眠に向いている。

ラポール形成

催眠術に欠かせないのがラポール形成、それについての方法なども解説されています

本書では「相手を馬鹿にしてはいけない」と強く述べられています、信頼関係が崩れてしまいます。

それから信頼関係を築くのには時間がかかる物ですが、それを短縮するテクニックも載っています。

例えば

ミラーイング法

これは有名な相手と仲良くなれるコツ、相手と鏡のようにしぐさなどを真似するもの、しかし、無意識に刷り込むので気が付かれてはいけません、続けていると相手に仲間意識が芽生えます。

チューニング法

ミラーイング法より簡単で効果的なもの、相手が自分でも気が付いていないような無意識に行っている癖を真似して行うというもの、相手をよく観察するスキルが必要ですね。

催眠誘導に失敗はない

催眠の成功率を上げるためのテクニックが色々と紹介されていますが最終的には「ねばる」ことが大切と説明されています。

誘導に失敗しても諦めずもう一度、すこし誘導文を変え暗示をいれることで成功することもあります。

催眠術に失敗したときは被験者がかからなかった時ではなく術者が諦めた時、との事。

セックスinトランス

本書で書かれているのは暗示でセックスを強要する、といったものではなく相手をトランスに入れるのにセックスを利用するというものです。深いエクスタシーを目指しコミュニケーションを強化するのが目的

ここで説明されているのはキスの大切さ、信頼関係が出来ていないと性的に感じない、相手を観察する大切さ、などなど様々なテクニックが解説されています、セックスだけではなく催眠術にも通じる大切なことです。

催眠療法

本書では著者が行ってきた催眠療法のエピソードが載っています。

ダイエットや禁煙、記憶の復活からトラウマの克服まで、さまざまな症例です。

催眠治療は被験者の状態に合わせた暗示が必要となってくるのでその人に合わせた誘導の仕方などが大変参考になります。

まとめ

本書は第三弾まであるシリーズの第一弾です、催眠術に興味が出てきた人やかじり始めた人に非常に分かりやすく論理的な解説で催眠のなんたるかを説明してくれています。

ある程度催眠が出来る人でも共感したり勉強になる部分が多いのでまさに「初心者からプロまで」といった感じです。

本書だけでは物足りないという人は第二弾、第三弾も読んでみましょう、上級者向けの高度なテクニックなどが開設されています。