2014年のことですが、サッカー日本代表の本田圭佑選手が世界でも有数の名門クラブであるイタリアの「ACミラン」に入団した時のことです。

その際、彼には背番号を選ぶ権利がありました。

「10番」というクラブの伝統的なエースナンバーが空き番になっていたのです。

世界中に多数のファンを持つACミランの10番は注目度が多く、責任重大です。活躍して当たり前の存在。活躍することができなければ、世界中から非難を受け、評価や次の移籍先といったサッカー選手としての人生が大きく変わってしまいます。

人によっては他の無難な番号を選ぶこともあるでしょうが、彼は10番を着ることを決めました。

入団会見において、「ミランの10番をつけることについてはどう思いますか?」という記者の質問に、

10番をつけるチャンスがあるのに、他を選びますか?チャンスがあったので僕は喜んでリクエストしました。その時にプレッシャーは感じませんでした

と答えました。

彼のこの選択に対し、当時Twitter上では「日本の誇り」とコメントした人もいれば、「傲慢だ」「身の程を知れ」といった意見も出ました。

ここで否定的なコメントをした人は、もし本田選手と同じ選択肢を提示されたとしても、本田選手とは違う選択をしたことでしょう。

この差に大きく関わっているのが「セルフイメージ」です。

「セルフイメージ」とは「自己評価」のことです。

この「セルフイメージ」の違いによって、人生における選択が変わり、その結果も変わっていきます。

今回は「セルフイメージを高める」ためのNLPの使い方を紹介します。

あなたが持つ「フレーム」がセルフイメージを変える。

私たちは全てのものを、その人独自のフィルターを通して見ています。この、物事を見る視点のことを「フレーム」といいます。

そして、そのフレームを掛け替えることで、同じ事柄でも全く違って見えるようになるのです。

例えば、とても綺麗好きな女性のエピソードがあります。

綺麗好きなのはいいことですが、この女性は部屋をほんの少し汚されただけでもイライラして、家族をハラハラさせていました。

そんな女性に対して、あるセラピストがかけた言葉があります。

「もしチリ一つ落ちていない部屋で生きていくのであれば、あなたの周りには誰もいないことになりますね。そんな生活を心から望んでいらっしゃいますか。足跡や手垢がつくのは、あなたの周りに愛する家族や仲間がいるからなのではありませんか?」

その後、女性は部屋が汚れたら掃除をすればいいのだと気付き、家族と寄り添いながら生活できるようになったということです。

このように、ある見方を別の視点で捉え直す作業が「リフレーミング」です。別の切り口で物事を捉え直すことで、古いフレームでは気がつかなかった可能性やアイデアを引き出すことができるのです。

セルフイメージが低くなる原因は、「ある出来事」についてマイナスに捉えてしまうことです。

自分の嫌いな部分を見つけてしまうと、そこに意識が集中してしまいます。

そしてそれを感じるたびに「自分はダメなやつだ」とどんどん自分を傷つけてしまう。

その繰り返しが「セルフイメージの低下」につながります。

この嫌いな部分を「これもこれでいいところなんだな」と思えるようになることでセルフイメージは自然と上がっていきます。

リフレーミングを使ってセルフイメージを上げる方法

Step 1. 自分への評価を下げてしまっていると感じる性格や考え方を1つ決める。
Step 2. その部分に「もし良いところがあるとすれば、それは何?」という質問をし、その答えを紙に書き出す。
Step 3. 書き出した答えと過去の体験とを結びつける。

例えば、「優柔不断」な部分が問題だと捉えているとしましょう。(Step 1)

次に考えるのは、「優柔不断」なことで役に立ったことを考えてみましょう。(Step 2)

実際に「優柔不断」を感じた時の記憶を思い出してみると役に立ったことを見つけやすいです。

「優柔不断」なことで、「慎重に物事を考えることができた」のかもしれませんし、「他の人のことを思いやれた」のかもしれません。あなたがしっくりくる答えを探しましょう。思いついたことはとりあえず紙に書きだしていくことをオススメします。

可視化することで、脳にきちんと認識されるのです。

最後に、紙に書き出したことと過去の体験との擦り合わせです。(Step 3)

ここでのポイントは「納得感」があること。

「確かにそうだったな〜」と気持ちになれれば、自然とセルフイメージは上がっています。

 

「リフレーミング」の質はやればやるほど上がる

今回お伝えした「リフレーミング」は視点の増やし方です。

すぐにはあまり思いつかない方もいらっしゃるのは当然なことで、新たな視点を見つける思考が慣れるまで、とりあえず使ってみましょう。

自分の嫌な部分をリフレーミングしていくことで、あなたのセルフイメージは自然と上がっています。

ぜひ楽しみながら行ってみてください。