橋本環奈さん主演で1/24から全国ロードショーが始まるシグナル100の原作漫画を読んでみました。
Twitterで『自殺催眠』というワードを見つけて、「自殺催眠とはなんぞや?」と思いシグナル100にたどり着きました。
シグナル100のあらすじは次の通りです。
突如として自殺暗示催眠をかけられた36人の高校生たち。自殺催眠発動のシグナルは全部で100。死の暗示を解く方法はクラスメイトの死のみ……。原作は、宮月新、近藤しぐれの25万部以上を売り上げる同名ベストセラーコミック。宮月は、集英社「グランドジャンプ」にて連載中で映画化された「不能犯」や白泉社漫画アプリ「マンガPark」で人気連載中の「虐殺ハッピーエンド」の原作を手がける俊英だ。平和な日常が崩れ去るリアルな恐怖、「シグナル100」の謎……。ゲームは動き出したら、止めることができない。その結末は、原作とは異なるオリジナルとなり、想像を絶する展開へと発展していくー。
漫画しかまだ読んでいませんが、とても面白い作品でした!
映画をこれから見る方向けに知っておいた方が良い催眠の基礎知識をまずは解説しておきたいと思います。
漫画はこちらから⇒シグナル100
シグナル100を見る前に抑えておくべき催眠基礎知識
映画を楽しむためにもまずは「催眠術はあるんだ!」という前提で見る事をおすすめします。その方がきっと楽しいからね。
1.後催眠暗示
担任教師・下部がクラスの学生達を催眠にかけるためにとあるビデオテープを見せます。そのテープを見た後にある合図が出るたびに自殺してしまうという後催眠暗示を与えます。
後催眠暗示とは、催眠から目覚めた後に催眠術師の合図に合わせて行動してしまう事(多くが催眠にかけられたことを忘れさせる健忘暗示とセットにしてかけます)、と考えると分かりやすいです!
暗示は命令や指示のようなものと考えるとわかりやすいので、ここではそれくらいの理解で大丈夫です!
例えば、「赤い物を見たら笑ってしまう」と後催眠暗示をかけられた人がトマトを見る度に笑ってしまう、このようなものが後催眠暗示です。催眠にかけられている人は催眠にかけられている事を忘れてしまっているので、自分がなぜ笑っているかがわかりません。
ちなみに漫画では「あとさいみんあんじ」と書いてありましたが、これは催眠術七不思議の一つで未だに私も呼び方がわかりません(笑)私は「ごさいみんあんじ」派です!
2.マインドコントロール(洗脳)
担任教師・下部がクラスの学生達に見せたビデオはとある組織(漫画原作ではオウム真理教っぽく書いてあります)が作成したマインドコントロールの手法を応用したテープです。
マインドコントロールは洗脳と呼ばれることもあり、「強制力を用いて、ある人の思想や主義を、根本的に変えさせること」と言われています。
ビデオを見るとマインドコントロールができるレベルまでの深い催眠状態に入れる事ができるという事だと思います。
催眠状態とは暗示を受け入れやすくなる状態と考えてもらうと大丈夫です!
催眠と洗脳は一緒なのか?問題がながーく議論されていますが、そこのところは以下の記事をご覧ください。
「催眠」とよく混同される言葉として、「洗脳」があります。 ウィキペディアで言葉を調べてみると・・・ 「催眠」=暗示を受けやすい変性意識状態のひとつ 「洗脳」=強制力を用いて、ある人の思想や主義を、根本的に変えさせること …
3.自殺催眠
な、な、なんじゃそら?
初めて出会いました!シグナル100の中では合図によって自殺してしまう催眠のことを言います!
自殺催眠は可能なのか?催眠術師が考えてみました
まず映画のように次々に自殺していくような自殺催眠は100%無理です(わかるよね?)。あくまで映画なんだと思って楽しみましょう!
多くの催眠術師または催眠本では「本人が求めていない催眠はかからない」と言われることが非常に多いのですが、多くの催眠現象に触れてきた私は疑問を持っています。
せっかくなので自殺させる催眠はどのようにすればできるのか?を考えてみようと思ったのですが、不道徳すぎるのでやめておきます。
代表の城咲にどう思うか?聞いてみたらこんな意見でした。
そもそも催眠術で自殺させることは可能かどうか?を考えなくても、言葉だけで人に自殺させること自体が可能じゃないですかね?催眠を使うまでもなく。
とのことでした。←確かに!
催眠術で犯罪は可能なのか?
催眠を学ぶことはとても楽しい事ですが、催眠術師は大きな責任を伴う事や催眠の危険性をしっかりと理解した上で正しく楽しく活用するようにして下さい。
催眠術で犯罪ができるんじゃないか?と思う方もおられるでしょう。私は催眠を利用した犯罪は無い事もないが稀だと思います。
そうはいっても、日本でも以下のような事件がありました。
同じ大学の女子学生のカウンセリング中にキスしたとして、準強制わいせつ罪に問われた中京学院大中京短期大学部(岐阜県瑞浪市)の元教授(60)に名古屋地裁は19日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
鵜飼祐充裁判官は「カウンセリングを受けに来ていた女子学生の信頼を裏切る犯行で卑劣。女子学生の処罰感情も厳しい」と指摘。一方で「示談が成立し、深く反省している」と述べた。
判決によると、元教授は昨年11月28日、名古屋市北区のホテルで、催眠療法を受けて意識がもうろうとしていた女子学生にキスをした。
元教授の専門は心理学で、大学の学生相談室でカウンセリングも担当していた。
この事件のポイントは強制わいせつ罪ではなく準強制わいせつ罪である点です。
第178条(準強制わいせつ)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
第176条(強制わいせつ)
一三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。一三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「心神喪失」の意義
心神喪失とは,精神又は意識の障害によって,性的行為につき正常な判断ができない状態を指します。具体的には,失神している人や酩酊している人,睡眠中の人,高度の精神病を患っている人などを指します
裁判で催眠状態が心神喪失した状態だと認定されています。
このように書くと催眠術師がとても怖い危険な人物だと感じてしまうでしょうが、決してそのような事はありませんよ。
催眠技術を使いながら催眠だと伝えない人たちこそよっぽど危険です。「私は催眠術師だ!」と明言している人はむしろ安全安心です。
悪意のある催眠技術から身を守るためにも催眠を学ぶことはとても意義があることです。
まとめ
シグナル100から自殺催眠の可能性、催眠術で犯罪は可能か?と話が流れてしまいましたが、漫画原作がとても面白かったのでみんなで映画館に行きましょう!ってことです。
漫画も面白いので読んでみて下さい⇒シグナル100
文:カズ