2月3日水曜のダウンタウンで僕(城咲りょう)が普段の言葉だけで催眠にかけ、野球選手の井川投手にした催眠誘導の流れ。
ネット上で「地味に衝撃映像」「催眠術すごいな」「怖すぎる」「催眠術覚えてないの こっわ」との投稿が続いて衝撃が走った。との事でしたのでその誘導をまとめていきます。
ナダルは催眠にかかりやすいのか?
芸人さんと言うものは非常に面白いもので、カメラが回っている時だと大げさなリアクションをする人もいますが、回っていない時だと静かでプライドも高い人もいます。
ナダルさんのYouTube動画を観察していて、はっきりってどのタイプかどうか分かりませんでした。催眠術にかかっている動画はあるものの、ナダルさん自身が「これは使われる動画だ。仕事だから目立つようにしよう」と潜在意識下で感じていたら大げさなアクションをします。
ですが、「これは使われないただの企画だ」と思われれば恐らく催眠術にかかる確率が低い。
催眠術かかるにはメリットが必要
催眠術にかかるにはメリットが必要で、相手の顕在意識下ではなく潜在意識下でメリットがなければかかってくれません。
通常であればベースサジェスチョン(催眠術師側が凄いんだよと言う暗示)が必要になってきます。
よく言われるのが、「私は催眠術にかかりたいんです」と口では言っているものの潜在意識では「私にかけてみろ‼︎」と挑戦的な人が多くメリットがなければ全くかかることがなかったりします。
今回はベースサジェスチョンがない状態で、ナダルさんからも下に見られている状態でどういう風に催眠をかければいいのか?と言うことに悩まされてきました。
ナダル1週間ドッキリは抵抗の塊
僕は企画を持ってきたTBSのディレクターに、ナダルさんのメリットになりそうな事はないか?と聞きました。スポンサーや女関係、お金の事情などいろいろメッセージでやりとりさせてもらったものの教えてくれなかったのが現状です。
撮影前ナダルの観察
僕はYouTubeを見まくって、ナダルさんのどこに催眠のスイッチが入るかメリットがあるか観察しました。テレビの前ではすごく面白いキャラですがテレビで映ってないところでは、言って悪いのですが「ちょっと横柄なところがあるのかな?」と感じました。もちろん凄く売れてる芸人さんなのでしょうがないと思いますが、その方に僕が催眠術をかけると言うメリットが全く見つからない。
撮影前にTBSディレクターと打ち合わせをしましたが、「初対面の人には普通に接してくれますよ」と言っていました。ですが、実際はナダルさんは「1週間ドッキリを仕掛けられている」と言うこともあり、入ってきた時からこちらの話を聞く態度は全くなく、ドッキリと思われたままで健康番組のニセ企画をしなければいけない状態でした。目は上を向き、腕を組み、後ろに仰け反ってるような感じ。全く聞く耳を持っていない感じでした。
ナダルが催眠にかかるスイッチとなったのはコレ
僕はナダルさんとの撮影の前にTBSのデーターに「1つだけこれを言ってもいいですか?」と言うものを提案しました。
これは1番核心の部分なので「2月21日の催眠ライブin京都」で話そうと思います。これがなければ間違いなくかからなかったはずです。
2月21日の催眠ライブin京都
http://mindcreate.com/saiminlive/
ナダルがニセ健康企画に入ってきた
入ってきた瞬間からすごい抵抗を感じました。1週間ドッキリを仕掛けられているのだから「これもドッキリだ‼︎」と思われてるんだ。とすぐにわかるような態度。僕はやったこともないニセディレクターになりきって企画を進めていきました。
この企画の難しかったところは、TBSのディレクターからは「このドッキリには気づかれてはいけない。この後もドッキリ撮影あるから絶対にバレないようにしてね」との事。僕は今まで生きてきてドッキリを仕掛ける側になったことがないので非常に緊張していました。自己催眠で汗が出ることなどは止められたものの緊張のしすぎで、鳩尾(みぞおち)あたりが痙攣しているような感じ。はじめての緊張感でした。
普段の言葉から催眠誘導へ
ニセ健康番組の打ち合わせに入ると、まずは僕から色々と健康の状態を聞いていく質問の流れ。これはTBSのディレクターが用意してくれたものですが、内容としては催眠に入りやすい質問が多数ありました。
例えば、睡眠時間は何時ですか?とか、お酒はどれぐらい飲みますか?暴飲暴食をしますか?など催眠の誘導には向いているような質問を用意してくれました。
ですが、やはり質問だけではほとんど話を聞き流しているような感じ。こちらの目も見なければ、腕を組んだ状態からリラックス状態にまで持っていけない。この企画がバレてもいいのであれば僕なら「今ってちょっと緊張されていますか?緊張されればされるほど私の言葉のトリックにハマっていきますが大丈夫ですか?」といって一度緊張させることをやっていたでしょう。
絶対にバレてはいけない企画
1番困ったのがバレてはいけないと言うもの。どうやってバレないようにするかが大変でした。催眠は「極度の緊張」か「リラックス」をさせて催眠をかけていきます。僕はリラックスさせるために「首の可動域を見たいので大きく5回、首を回してもらっていいですか?」といって右回りと左回りに5回ずつ回して貰いました。催眠では回頭法と呼ばれる技術です。この時にカメラを回してもらっていて、「この首の動きは主治医の方に見せるものなのでちゃんとやっていただけると助かります」といって適当に首を回さないようにしっかりと伝えました。
その後に、目を閉じてリラックスしてください。
「今度は体の力の抜け具合を見ます。全身にどこにも力が入らないように力を抜いてみてください。
多くの方は力を抜いていても抜けていない部分があります。そこを探して力を抜くようにしてみて下さい。おでこや頬、顎などしっかりと抜くようにしてみて下さい」と言い脱力状態をつくりました。
言葉(暗示)が体に反応するかテスト
「イメージしてください。手はわざと動かす必要は無いので手がフワフワ上へと上がっていくイメージをしてみてください。どんどん高く上っていくイメージをしてみて下さい」この時に腕は少しずつ上がってきました。僕の言葉が体に反応している証拠です。
ここで間髪を入れず、「この音を聞いてください」といい指でテーブルをコツコツと一定の音で鳴らし始めました。人は一定の音を聞くと催眠状態に入りやすくなります。「外の音とのテーブルを叩くの音どちらが聞き取りやすいですか?」などいって相手に質問をしながらしっかりとコミニケーションをとりながら誘導していきました。
手はぐんぐんと上がり、「手が上にいくとだんだんと体が左右に揺れてきます。そうするととても心地よくなってきます」と言う暗示を入れました。そこで思いがけない反応が‼︎なんと笑い始めたんです。僕はここを予想していませんでした。ですが相手に合わせ、「どんどん楽しくなってきますよ」と暗示を入れていき大きく笑わせるようにしました。
ここで観察のポイント
体の動きは大きくなってきて、所々に白目になるところがありました。催眠暗示が入りやすい状態になっている事がわかります。こちら思っている暗示とは違う反応が起きたとき相手に合わせて誘導する。
テレビでは映らなかった誘導
「徐々に体の力が抜けてきます」といって手をゆっくり下ろしてもらい。「あなたの尊敬する芸人さんを思い浮かべてください。あなたはその人になることができます」といって違う芸人さんになってもらいました。「あなたのお名前は?」と聞くと「陣内や〜」と答えました。イメージを膨らませるために「陣内さんはどんな女性が好きなんですか?」と聞くと「それは言われへんわー」と答えてくれました。
催眠術師がやりがちな間違い
先程の状態で陣内さんに変わったとしても、閉眼(目を閉じている)の状態。多くの催眠術師は人格変換(犬になったり猫になったりする現象)と間違えるかもしれません。でもこれは目を閉じている状態であって「感情・感覚の段階」になってるかもしれません。気持ちだけが「陣内さん」になっているだけなのかもしれません。目を開けると催眠が覚めてしまう恐れがあるので気をつけましょう。
催眠術には大きく分けて3種類の催眠暗示があります
運動支配(浅い状態)・感覚、感情支配(喜怒哀楽や痛み飲み物の味が変わる状態)・記憶支配(名前を忘れてたり、幻覚を見せたり、人格変換ができる状態)があり、今の状態では「感覚・感情支配」なのか「記憶支配」なのか分からない状態です。
催眠術を見せる場合、動きがあれば目を開けていても閉じていても観客側から言えばあまり気にしていないことが多いと感じます。
記憶支配まで入ると目を開けた状態でも幻覚を見せたりすることができますが、ナダルさんの場合それはすごくリスキーでした。ドッキリだとバレてはいけないからです。僕は閉眼の状態で野球選手にすることを決めました。
「目を閉じていると呼吸と共にだんだんと頭が真っ白になっていき、あなたは野球選手を思い出すことができます。そうです。あなたは野球選手になっています」コンっと強めに机を叩いて野球選手になってもらいました。
「あなたは誰ですか?」というと野球選手の「井川です」と答えました。そこから僕は「失礼ですが、投球フォームかバットを振る動きを見せていただけませんか?」というと投球フォームを見せてくれました。
投球フォームを見せた後、足が壁に当たり目を開き「これはやばい」と感じました。とっさに「すごくいい体の可動域でした。座ってください。まだ頭がボーっとしてる感じがしてますよね?今から目がパッチリスッキリしますので目を閉じてください」といって催眠状態を覚ますことに。
この企画がなかったことに⁉︎
この企画ではドッキリだとバレてはいけないので、少しずつ健忘暗示(この企画の内容を忘れさせる)も入れながらやっていました。「ナダルさんは夢を見ますよね?夢ってどれぐらいの時間も覚えているのでしょうか?」といって相手に記憶を忘れさせる暗示を間接的に入れました。もちろんこれだけでは足りないので他の暗示も入れましたが、悪用する人がいそうなので僕の催眠スクール内でしか言わないようにします。
終わったときにはナダルさんはすごくリラックスしていて最初にあった刺々しい感じはほとんどなく終りました。
最後に
この放送直後にネット上で「地味に衝撃映像」「催眠術すごいな」「怖すぎる」「催眠術覚えてないの こっわ」とありましたが、僕はあくまでナダルさんを操ろうとしたわけではなく、ナダルさんの心とダンスするような感覚。相手が抵抗しているときには無理をさせずに進めない。進めてもオッケーと言うサインが体の動きでわかれば進めていくという催眠誘導をしていました。
人を操ろうと思えばそれが潜在意識下に伝わり催眠術は解けていたでしょう。感覚としては、小さな子供がいてお父さんが「そこじゃないよ」と手を引っ張って危ない道から安全な道へ誘導するような感覚です。
僕の催眠は人を操る催眠ではなく、人の心に寄り添い「心と心でダンスするような」そんな優しい催眠を心がけて誘導してます。催眠スクールでもそういう風に教えています。
僕のスクールでは13人までしか教えられなくて、一人一人オリジナルな教え方をしています。
興味のある方はぜひ僕に一度会いに来てください。
残り今月は4名までしか入れません。ぜひ今すぐもお申し込みください。今はzoomでの講座も行っています。
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