催眠術のネタの部分になる催眠暗示を入れる基本とコツをご紹介していきます。
暗示でお願いや命令を使ってはいけない
例えば「手が上がる」という暗示を入れる際、「手を上げてください」というのは誘導ではなくお願いであり、本来、暗示とは無意識に影響を与えるものなのでこれは暗示としてなりたちません。
そして「手を上げなさい」これはもう暗示でもなんでもなくただ命令して誘導しているだけなのでこれも成り立ちません。
本来の暗示的には「手が勝手に上がっていきますよ~どんどん上がっていきます」などこのように現在進行形の言葉がよく使われます。
「前暗示」「刺激」「追い込み暗示」のパターン
催眠を行う際にパターンのようなものがあり例えば手が勝手に上がる暗示だと
- 「私が手を叩くとあなたの手は勝手に上がっていきます」
- 「ハイッ!」(手を叩く)
- 「どんどん上がっていきます、もっと上がる、どんどん早く上がっていきます」
まず1のようにこれから術師が起こしたい現象を予告します。これが前暗示です
そして2が刺激です。例のように声を出す、手を叩く、ほかにも「3,2,1」でも指パッチンでも合図になれば何でもいいのです。
そして刺激の後に間をあけずに追い込み暗示を行います。
この暗示は重要でこれにより被験者を誘導します。
このパターンを守らないと「では、手が勝手に上がる催眠を行います!どんどん上がる!どんどん手が上がっていく!ハイッ!あなたの手は上がっていく!」かかると思いますか?
よほど被験性が高い人か深い催眠状態に入っている方でないと難しいでしょう。
なにを言っているんだコイツは?と思われてしまうかもしれません。
指示と暗示の区別をハッキリさせる
催眠初心者の方に多い失敗の一つがこれです。また手の上がる催眠で例えてみましょう
「私がハイというと手が勝手に上がっていきます、上がっていくんですよ?
手が上がっていきます。どんどん上がっていきます。
いいですか?手が上がっていきます・・・」このようにどこからが前暗示でどこからが誘導なのかわからないのは良くありません。
失敗を恐れずにハッキリと分かりやすく誘導していきます。
ここからが指示、ここからが暗示!とハッキリと区別した誘導を行うと良いでしょう。
ジェスチャー(非言語)で表現する
暗示というのは言葉だけでかけるものではありません。
言葉以外でかける暗示を非言語暗示といい中には瞼の動きだけで暗示をかけるベテラン催眠術師も居ます。
それは術者のレベルが高いのではなく、それ程ジェスチャーには影響力があるという事です。
例えば「あくびがうつる」これも一種の暗示に近いものです。
あくびをしている人を見て「眠そうだな、私も眠たくなってきたな。」など思い、無自覚に感情移入することでうつってしまうわけです。
以上の点を踏まえて催眠暗示の際に言葉だけでなくジェスチャーを使うことで効果的に誘導する事が可能なのです
例を出すと手が上がる暗示なら「手がこういう風に上がっていきます」と前暗示でどのように動くか術者が見せてあげたり手が固まる暗示なら「ガチッ!!」と言葉で刺激を入れる際に術者の手も固まっているように見せ付けたりします。
眠くなる、瞼が重くなるなどの暗示では術者が被験者と目を合わせ、眠そうな表情、瞼が重くなったような表情を浮かべることでより暗示の効果が現れます。
このように暗示をかける際にジェスチャーを使うことを推奨しますが、あえて非言語だけでの催眠に挑戦するのもスキルアップの第一歩かもしれません
被験性が高い順に催眠暗示を入れる
ショー催眠など多くの人の前で行い、複数の人に催眠術を行う際はまず被験性テストを行い、被験性が高い人を見極めます。
そして高そうな人を選んだらその人に暗示をかけていきます。
上手く成功した場合、それを目撃した他の人達はどう思いますか?「この人は本物だ!」「催眠術は本当にあるんだ!」など考えると思います。
こうすることによって被験性テストの段階では被験性が低かった人も術者を信頼し、催眠術への興味が湧き、必然的にかかりやすくなります。
同一空間上の集団の中では感情は伝染しやすいものです。
心霊スポットなどで一人がパニックになるとその場にいる他の方も何もないのにパニックになってします集団ヒステリーが良い例です。
関連ページ:被験性テストとは?【目的・効果】